みなさんこんにちは!
今回は、建築学生が読むべき本のシリーズとして、「構造設計を仕事にする 思考と技術・独立と働き方」を紹介していきます。
この本は意匠などの構造以外の道に進もうと考えている方にもぜひ読んでもらいたい一冊ですが、個人的には意匠の道があまり自分に合わないのかもなと感じている方に強くお勧めしたい本となっています。
それでは、具体的にこの本からどのようなことが学べるのか、おすすめのポイントなどを紹介していきます。
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本の概要
この本は16人の構造家の方が、それぞれ自身のキャリアや考え方、働き方などについて述べた本になります。
1人の方の話が大体15ページくらいにまとまっていて、隙間時間に読んでも区切りやすく、とても読みやすい構成になっています。
文章の書き手となっている構造家の方々は、現在個人の構造事務所で活躍されている方々がメインとなっています。中には外国でも活躍されている方もいて、日本との違いなどの興味深い話が語られています。
それぞれの構造家の方の話で具体的には、どのようにして構造家になったのか、そのきっかけは何か、大学を卒業後の進路、独立までの流れ、構造設計に対する考え方などが書かれています。
また、現在の事務所のレイアウト図が掲載されているのも特徴です。
一冊から多くの構造家の方のストーリーが学べる本となっています。
読むべき理由とポイント
構造家の考え方を知れる
構造家がどのような考え方、価値観を持って仕事をされているのかを学ぶことは、構造系の進み方以外でもぜひ知っておくべき内容です。
この本では、構造家の方がとても詳しく設計する際のこだわりや構造デザインに関する考え方などを述べられています。
将来意匠系に進もうと思っている方も、仕事をする中で構造家と組むことは多いかと思うので、役に立つ考え方になるでしょう。
また、構造系に進もうと思っている方は当然、直接生きてくる考え方を学ぶことができます。
構造の仕事は構造計算をすることが目的ではなく、構造デザインや構造計画のような、構造を活かして豊かな建築を作ることだという感覚が感じられるはずです。
構造化という仕事を知れる
この本を読むことで、建築の中に構造化という仕事があることを学べます。
建築学科に入って学んでいく中で、なんとなく意匠設計が自分に向いてないかもと感じる方や、なんかしっくりくる分野が見つからないという方はある程度いるのではないでしょうか。
この本では、構造の仕事を具体的に知れるので、そのような方にはぜひ読んでみていただきたい一冊です。
実際、本を書かれた構造家の方の中でも、意匠が合わずに構造に進み、構造の魅力に気付いたという方が何人もいます。
本の中ではそのような方がどうして構造に進んだのか、何が構造の魅力なのかといった話を詳しくされているので、進む先に悩んでいる方には間違いなく有益な情報になるはずです。
構造デザインの概念を学べる
先ほども少し述べたように、構造化の仕事は計算がメインなのではありません。構造を使って豊かな建築を実現させることが役割です。
そのような考えは、構造デザインという考え方になるかと思います。
構造力学の本や授業では、計算をして答えを求めるという作業が多めなので、計算を重要視してしまいがちです。
しかし、この本を読むと実際の構造家の方が構造設計を通して構造をデザインしているということがよく伝わってきます。
本を読むまではあまりそのような考え方を持っていなかった方でも、この本を読むだけで見方が変わるのではないでしょうか。
まとめ
ということで、今回は建築学生が読むべき本シリーズで、「構造設計を仕事にする 思考と技術・独立と働き方」を紹介してきました。
構造化という仕事は大学に入るときにはほぼ知らなかったという方も多いかもしれませんが、この本を読むと魅力的な仕事だと感じるでしょう。
将来への視野を広げるために、ぜひ読んでみてください。
では、またの記事で会いましょう!